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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

扇子

2017.8.17 Thu

口を開けば「暑い!」と、手近にあるクリアファイルでパタパタやってるこの頃。
外に出るときはクリアファイルよりも、団扇よりも持ち運びに便利な扇子がいいようだ。扇子はさしずめ電池のいらない『携帯扇風機』か。
そういえば今年は、中学生の将棋のプロ棋士・藤井聡太(以下敬称略)の扇子が売れに売れて、生産が追いつかないとテレビで報じていた。
ウチワの夫は……違った! ウチの夫は将棋はあまり指さないが(それでもアマチュアの4段)、囲碁はかなりの実力で、アマチュアの7段だった(6段という説と、8段という説もある)。
文壇の本因坊戦や名人戦のタイトルを取ったりしていて、そのおかげで新聞で本因坊戦の観戦記事を書いたこともある。……ということは、ナマの対戦を観戦していたということだ。対戦しているプロ棋士の二人の向こう側で、時間を計っている人と並んで座って見ている写真が残っていた。
今でも就位式にお招きいただいているが、お断りのハガキをお出しするのが哀しい。
そのころはいろいろなタイトルの就位式のお招きには、万難を排して出席するなど、なかなかの『お忙氏』だった。
そしてその都度、長細いのし袋に入った扇子をもらってきた。
その扇子、パタパタ使うわけではない。家に持って帰っても、ただしまっておくだけだから、我が家にはその手の扇子が溜まっていた。
私にはその扇子の値打ちが分からない。分からないから扇子を頂いてくる夫に対して「もうッ! 貰ってこないでよ!」と文句を言っていた。
そうこうしているうちに藤井聡太の、売れに売れている扇子の話題だ。「エッ!? エッ!?」と探したら、私に叱られるから隠してあったらしい囲碁界の扇子が何本も出てきた。
井山裕太の名人就位のものや、石田芳夫・趙治勲のまで出てきた。その他諸々。歴代の本因坊の名前が書かれた、記念のものまである。
これってお宝でしょう? コレクターの垂涎の的かも。
「値打ちを知らないって、これだから困る」と冷笑する夫の顔が浮かぶ。でも!!!
私に叱られるからって、扇子を隠していた夫って、可愛い。

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