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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

名人戦

2017.9.4 Mon

『扇子』の項でも書いた『囲碁名人戦』。その対局観戦のご案内を、今年も頂いた。
夫がかねがね贔屓にしている井山裕太六冠と、高尾紳路名人を囲んでの前夜祭もあるそうだ。
将棋の羽生善治さんが少年だったころの天才ぶりにも夫は惚れ込み、『王将たちの謝肉祭』で羽生さんを実名で登場させていたくらいだ。夫は若い才能が伸びていくのを見るのが、うれしいのかもしれない。
井山さんが名人位を取ったとき、井山さんと並んで撮った写真の、夫の何とうれしそうな顔。いい笑顔だった。
その招待状! 万難を排してでも出席したいだろう、前夜祭と対局観戦。
案内状を夫に見せると、ポツンと一言。「ボク、何でこんな病気になっちゃったのだろう」
涙ぐむ夫に、私だって……。
まさか自分がこんな病気になるなんてと、その寂しさを二人で抱きしめてしまった。

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2017.9.9 Sat クワーッ!

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2017.8.31 Thu 香り