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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

大きい秋

2017.10.9 Mon

『ちいさい秋みつけた』を歌いながら、夫と散歩に出た。
小さいどころか『大きな秋』だらけだった。
トンボが群れ、樹々の葉が色褪せて来て、どこからともなくキンモクセイの香りが漂ってくる。
「すっかり秋じゃん」なんて言っている場合ではなかった。
このところの気温の乱高下に、ストレスが服を着て暮らしているような私は、ひとたまりもなかった。扁桃腺を腫らし鼻炎が同時にやってきて、喉ハレハレ声ガラガラ、鼻水ジュルジュル。
漢方薬飲みまくりでなんとかジュルジュルだけはごまかして、ガラガラ声の散歩だった。
病気になってはいけない、夫より先に死ぬわけにはいかないと、それもストレスのひとつかもしれない。
早く美しい声(?)で、『大きい秋みつけた』をうたわなくては……、そんな歌がないなら、デタラメ歌でいいや!
♪ 内田さんが 内田さんが 内田さんがみつけた
  大きい秋 大きい秋 大きい秋みつけた
  目明かし親分 手の鳴る方へ
  透かした先には 十手が見える
  早く逃げなきゃ 冬が来る
  大きい秋 大きい秋 大きい秋みつけた ♪
なんてね。デタラメもいいところで「バカだね!」
でも夫の気散じになればいいや!

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