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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

地球は?

2018.8.3 Fri

もう言うのも聞くのも、テレビで真っ赤っ赤の日本列島を見るのも、もうげんなり。
老いの繰り言ではないけれど、昔はクーラーなんてなかった。縁側で蚊取り線香を焚いて、団扇パタパタなんて風流な涼み方があった。
私たち夫婦が軽井沢に移住したころはほんとうに爽やかだった。
軽井沢の夏の最高気温が26~27℃で、28℃になったとき町の人たちは「何だ、この暑さは……」とびっくりしていたらしい。
その28℃に、軽井沢移住の私たちは出っくわした。そして「えっ?爽やかじゃん」。
だいいち、吹く風が違う。
そのころの東京だって30℃と聞いてびっくり。それが今年は青梅市で40℃超え?
西日本のアッチャコッチャで40℃を越えて、熊谷市はとうとう41℃を越えてびっくりおったまげ!と下品な言葉が出てしまうほどおったまげ!(クイズ番組で「たまげるを漢字で書け」という問題があったが、私は知っていた。『魂消る』なのだ。余計なことだけど)。
これは日本だけの現象ではなく、地球規模の異常現象だって。とくに北半球はどこも異常だって。
グリーンランドでは流れてきた高さ100メートル級の氷山が崩れて津波を引き起こすために、島民が避難するとかしたとかニュースになっていた。
私たちがワールドクルーズで氷山の崩壊を見に行ったときも、氷河がどんどんと溶けて後退し、昔は氷に覆われていたはずの河口の土地に草木が繁っていた。
現在は私たちが見たときより、草木の土地が奧に進んでいると聞く。そのうち氷河はなくなってしまうのかな?
物見遊山で、氷山が崩壊する度にキャーキャー騒いでいたくせに、「地球はどうなっているのだ!」とか、「南極のシロクマが可哀想!」だとか「プラスチックのストローがどうしたこ うした」もないもんだ。ストローだけが問題ではない。すべて私たち人間が便利さや簡単さを追い求めた結果ではないか(私も便利は大好きだけど)。
地球は完全に壊れてしまったのだろうか。もう後戻りはできないのではないか。
見渡せば、飴玉一個一個が包装され、本を買えば文庫本一冊でもビニール袋に入れてくれる。荷物が届けば大きな箱の中に鎮座している小さな『物』に大量のクッション剤。
いまさらエコバッグ、紙のストローと叫んでも、もう地球は取り返しのつかないところまで来ているのだろうか。
それは便利な生活が、空気があるのと同レベルなってしまったことの結果かもしれない。
これから生まれる子どもやこれから大人になる子どもたちは、この便利さしか知らないから、いまさら元の暮らし……って、元を知らないから(私だって元の暮らしには戻れない)。
しかし地球はこれからどうなっていくの?地球が壊れたら火星に移住? そして次は金星に移住?
軽井沢もかなり暑くなった。でも報道される気温と実際との落差は大きい。軽井沢にはまだまだ緑が多い。森や木陰に入ると鳥肌がたつくらいに涼やかだ。だから軽井沢に行ったらショッピングや人混みを歩くだけでなく、森か木陰のあるところで優雅な気持ちになって欲しい。
木陰や森の中に入り、降ってくる小鳥の声に気持ちが落ち着いたところで、地球の行く末を案じるのもいいかもしれない。

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