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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

鎮魂

2018.8.12 Sun

高校野球真っ盛り。この期間夫は、食事、碁会所以外はテレビの前から御神腰をあげなかったなと思いつつ、見上げれば今日も青空。
最近はボケ防止にと、私は時々ピアノを弾いている。いえ! 弾いているのではなく、鍵盤の上で指を動かして音を探している。
バイエルなどの教則本は東京に置きっぱなしだから、暗譜している練習曲をえーと、えーとなんて。そしてハノンの2番(?)。
右手の動きに左手が着いていかないのはトシのせいと、もう一つは、むかしの夫の一言。
「隣りの部屋のピアノがうるさいと言って人を殺した犯人の気持ち、ボクは理解できる」
私ももともとは独学でピアノを楽しんでいたのだけど、同じ独学なのに何をやってもマスターしてしまう夫には、凡人の気持ちはわからなかったらしい。
夫のニヤリ! に、それ以来私はピアノをやめてしまったのだった。
あれ以来45年。もうそばで悪口を言う人はいないので、今日は高校野球の歌(何て言ったっけ)を、右手はメロディーを左手は「アッ違う! アレッ? 違う」と言いながらコードを探しながら弾いた。
そして一人で大笑い。何度弾き直しても、何故か最後が♪ラバウル航空隊♪になってしまう。口ずさむときはたしかに高校野球の歌なのだけど。
時は終戦記念日が間近。戦争の犠牲になった方々への鎮魂としよう。

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