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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

優しさ

2018.8.17 Fri

お盆の頃の軽井沢の道路は、幹線道路も裏道も、地元民の抜け道も車車車。
スーパーマーケットに行っても、400台(多分)分のスペースはあると思う駐車場も車車車。
いい加減イライラしていた軽井沢の夏に、とてもうれしいことがあった。
まず推理作家のS.Y.さんが「大変遅くなりました」と、奥さまと、夫の弔問に来て下さった。
Sさんとはパーティーでお会いしておしゃべりをする程度だと思っていたのに、何と義理堅く優しい方だとうれしくなった。
そして二人の光彦さんが、道路の渋滞にもかかわらず記念館やティーサロンへ足を運んでくださった。
献花のときにも、忙しい中を夫のために時間を作って、全国から弔問にいらして下さった方々……と、その優しさに感激していたのに、改めて涙ぐむ思いだった。
人って優しいのだ。
夫は性善説派で、その精神は作品の中にも流れている。でも私は……。
でも、でも、でもやっぱり義理に背いたり悪に走るのは、生まれ育った環境がそうさせるのだと性善説に傾く。「優しくなろうっと」。
それなのに、普段だとティーサロン「軽井沢の芽衣」から家まで10分くらいで帰れるのに70分じゃあねと、イライラ、イライラ。やっぱり環境が性格を変えるのかも。
人間って、本来は優しいのよね。

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