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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

塩害

2018.10.11 Thu

今年は台風の当たり年……なんてことを言ってられないほど、次から次に強い台風が発生していたようだ。それもなんだか日本を狙い撃ちしているように私は感じた。
各地に爪痕を残して行った台風。それは水害や土砂崩ればかりではなかった。
東京の京成電鉄の電線に、海からの強い潮風が付着したのが原因で発火し、電車が運休してしまった。
塩害だった。
そして先日、夫が入院しているときに遠路お見舞いに来て下さった方にお礼に伺うために、西の方に遠出をした(西方浄土ではない)。
電車から見える沿線の木々にびっくりした。沿線の樹木という樹木が同じ方向、多分風上にあたる方の枝の葉が、すべて鉄さび色に変色していたのだ。
初めは紅葉しているのだと思ったが、京成電鉄のニュースを聞いて、あれも塩害だと思った。
潮風にいたぶられても、身を捩るしかなかった葉っぱたち。
自然の力は、やはり凄くて残酷だ。人間の力なんてちっぽけだど、凄くて残酷な自然にしたのは、ある意味ちっぽけな人間のせいなのかもしれない。
自然を大切にしている人にもしてない人にも、凄くて残酷な自然は襲ってくるのだなと思った。

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