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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

軽井沢のつづれ織り

2018.11.19 Mon

目が覚めたら辺りが白くなっていた……ではないのだ。
今の軽井沢は、目が覚めたら辺りが日1日と赤茶色に染まっていくのだ。
カラマツはサラサラと散り、ケヤキやモミジはハラハラと散り、カシやクヌギはバサバサと散って、庭と言わず道路と言わず屋根にまで降り積もっている。
おかげで空は広くなるしで、これこそ『天然の美』だ。♪そーらにイ囀る、とオリの声♪なんて古〜い歌を口ずさんでいた。
夫の介護に夢中だったころは『感動』する心を忘れ、夫が亡くなってしばらくは『ボー!』とチコちゃんに叱られそうな状態だったのが、少しは心にゆとりが出てきたという事か。
そう言いながら夫の遺影を抱いて外に向けて「軽井沢に移ってきた頃も、毎日が感動だったわね」なんて話しかけているなんて、とても他人さまには見せられる姿ではない。
先日のブログで私が夫の事を書きすぎ?と書いたら、友の会の会員さんから、私が夫のことをノロケる事で私たちの暮らしを思い浮かべて楽しめるから、今まで通りで……とお手紙をいただいた。それで私はすっかりその気になっている(もし不愉快だと思う方は読み飛ばして下さい)。
さて‼︎ その気になって、自分の心に邪魔される事なく『軽井沢のつづれ織り』を二人きりで楽しもう。

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