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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

虫めずる姫

2019.3.6 Wed

森の倒木を削ってみると、冬眠している幼虫がたくさん出てくるそうだ。中にはクワガタのような虫が、その姿のままで眠っていることもあるらしい。
ウスバカゲロウの仲間の幼虫なんて、身に苔を着けて岩肌に貼り付き、苔に化けて眠っているのだそうだ。岩肌の苔と同じようにして眠っている姿には笑ってしまう。
岩に貼り付いている苔をまとった幼虫も気味が悪いが、だいたいがカゲロウの幼虫は気持ち悪い。あんな儚げな虫に変身するなんて、想像もできない。
私が知っているカゲロウの幼虫は、いわゆる『アリ地獄』の底にいる幼虫で、小学生の頃にそれを見つけてはよく悪戯をしたものだ(アリ地獄を知らない方は、ネットでお調べください)。
だいたい今はそんな遊びができるほどの庭のある家も少ないし、スマフォとにらめっこ遊びの方が楽しいかな?
木登りをしたり虫を捕まえたりと、私は『虫めずる姫』だったのかも。ただ悔しいのは、『堤中納言物語』の姫は美しかったけれど、昭和の姫は……、どうぞ勝手に想像してくださって結構です。
3月6日は啓蟄。春も間近で、あの日が近づく。ちょっと辛いかな?

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