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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

筋肉

2016.8.21 Sun

20代前半からの私は、ハイヒールしか履かなかった。会社勤めのころも7センチのヒールで、出社時から帰宅するまでの10時間以上も、そんな靴を履きっぱなしだった。
会社でサンダルに履き替えることもせず、家で履くスリッパも4センチはあった。
ハイヒールへのこだわりは軽井沢に移ってからも続き、スーパーでの買い物のときも7センチだなんて……。おかげで私の足の外反母趾は、それは見事なものだ。
そこまでこだわったのは、多分自分自身への美意識だったのかもしれない。何と言っても、私の足の短さには自信があるから、少しでもカッコよく見せたい……。
ローヒールの靴など1足も持っていなかった私が、最近は夫の車椅子を押すために新しく靴を買った。
足の長さなんてどうでもいい。夫にもしものことがあってはいけない。カッコなんてどうでもいいと思ったけれど、しかし歩きにくいことこの上ない。たぶん長年のハイヒール生活で、足の筋肉がそれ用に進化だか退化してしまったのだろう。特にももの筋肉が痛くて痛くて……。毎晩サロンシップやピップエレキバンを貼って寝た。
最近やっとローヒールに慣れてきたのだが、今度は外出時にハイヒールが苦手になってしまった。
でもそれでは正式な場所では困る。それで5センチのヒールを買った。楽だった。
何だ! いきなりローヒールにしないで、少しずつ低くすればよかったのに……。
筋肉の痛みは減ってきたけれど、用済みになったパーティー用のを含めたハイヒールが、シューボックスで……。
この靴、どうしよう。

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2016.8.26 Fri 不親切

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2016.8.16 Tue セミ