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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

目隠し

2019.7.18 Thu

軽井沢の森の冬は木々の葉が散りつくして、空は広々としている。
寒々しいことは寒々しいけれど、来年に生まれ来る葉たちのための養分になることだし、季節の流れをしみじみと感じさせてくれるのが素敵と言えば素敵だ。
いまの軽井沢の森はむせ返るほどの緑が空を覆って、我が家などは昼間でも電気をつけなくてはならない。でも素敵と言えば、それも素敵だ。
でもふと思った。落葉樹の葉は1年で散って、春にはまた芽吹く。
常緑樹はどうなんだろう。毎年新しい芽はでているようだけど、芽吹いた葉と同じ数の葉が散っているのだろうか。
我が家が軽井沢に移ったとき、道路と我が家の境界線に目隠しのために150センチのモミの木を15本ほど植えた。モミの木は常緑樹だからと。
36年が過ぎたいま、木自体の生命力や陽当たりの関係なのか、7メートル(たぶん)にも伸びたのあり、ひ弱に痩せこけたのありで、あの棘のような葉がそれほど散ったという記憶もない。
散ったという記憶はないけれど、どんどん伸びたせいか、下の方がスキスキで、目隠しの役目を果たさなくなってしまった。
目隠しのためなら、広葉樹を植えるべきだったのかも。

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