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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

寂!

2019.11.13 Wed

毎朝、目覚めてカーテンを開けると、朝日を透かせて紅葉が美しい。
風も吹かないのに葉が散って、朝ごとに青空がその場を広げてくる。
晩秋! 何だか滅びの美学かな?と、気障だけど切ない。
ティーサロン『……の芽衣』の庭も、冬を迎える準備万端整ってきて寂しい!寂しい!
間もなく夫の誕生日。誕生日……ということは、夫は確かに存在していたのだけど、その存在が夢だった?と信じられない時もある。そのくせ私の側からいなくなったという現実を、まだ受け入れてない私だ。
あの日から1年8ヶ月。あの日、あの時、あんな事、こんな事、色々と思いだしては、まだグジュグジュ。だらしないったらありゃしない。
生まれてきたということは、いつか命は終わるのだけど、でも木々の葉は晩秋にその命が終わっても、春になるとまた芽生えてくる。
人間の終わりは、それで終わり。そんなのずるい……と、滅びるくせにまた萌え出す木の葉に嫉妬するなんて、私は変!
これからも、夫の誕生日が来る度に「死んだ子(夫)の年を数える」のかな? 女々しいかな?と思うけど、私は女だから。
軽井沢は以前と違って、冬でも観光客の姿がある。でも冬の寂しさは、夏とは比べようもない。今の私にその寂しさに耐えられるかどうか自信がない。
『山里は冬ぞ寂しさまさりける人めも草もかれぬと思へば』かな?

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2019.11.18 Mon 胸キュン!

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2019.11.10 Sun つれづれに