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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

それは突然!

2020.10.13 Tue

今年の梅雨は長かった。ジトジトベトベトと、コロナだけでもいい加減不愉快だったのに、ほんとうに鬱になりそうだった。7月だというのに、私は床暖さえいれていた。
そして8月になったら突然の真夏。
軽井沢はいくらかましだったけれど、日本はとうとう亜熱帯に区分けされそうだ。軽井沢は湿気が高く、各部屋で除湿器のフル稼働。面白いほど水が溜まる。水不足になったら除湿器の水で生命をつなげるなと思った。
そして9月半ば、突然の秋だった。
目に見えて紅葉は進み、爆ぜたどんぐりの実が屋根に落ちる音に ♪お背戸に木の実の落ちる夜は……♪ と、思わず口ずさんでいる私がいる。
『里の秋』なんて、今の人は知らないかな?
夫の車椅子を押しながらこの歌を歌ったことがある。そのとき夫が「この歌って、ある意味反戦歌だよね」と言った。
……と、話は逸れたたけど、今朝散歩していたらお向かいの栗の木から、爆ぜた栗の実が落ちていた。
そういえばこの栗の実を拾って一個づつ鬼皮をむき、茹でて小分けして冷凍して、よく栗ご飯を食べたっけ。野生の栗は小粒でむくのが大変だったけど、それがまたしあわせだった。
……と、突然訪れた秋にあの頃を思い出して、胸キュン!
ベランダに張り出していた木の葉も紅葉し、鳥が食べ忘れていた実が2~3粒。
花→青い実→薄紅→赤い実……、そして忘れられた実が干からびていた。
……と、突然訪れた秋に我が身を思って、胸キュン!

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