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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

やっぱり本屋さん……2

2021.2.24 Wed

私の高校の社会科の授業は、記憶違いでなければ、1年の時が『一般社会』で2年になって『日本史』、3年が『世界史』だったような気がする(違うかもしれない。覚えてない)。
日本史では縄文時代から始まって、江戸時代まで習ったかなァ。明治維新以降のことはドラマを見たり小説で読んだことを、学校で習ったつもりになっていたのかもしれないし。
毎週土曜日の正午からBSTBSで放送している関口宏の『日本の近現代の日本史』(たぶん)という番組を私は見ているが、「へー! フーン!」と面白い。授業がこんなだと、たぶん私は居眠りなんかしなかった……。いや、やっぱりしたかも。
そして世界史の時間は……、やっぱり居眠りばかりしていて頭の中には残ってない。ワールドクルーズのときに立ち寄った国々の歴史的遺産に「せっかく授業料を払っていたのに、なぜ居眠りばかりしていたのだろう」と後悔しきりだった。
それはそれとして、どこだったかの本屋さんに入ったとき(あっ! 夫の倉敷殺人事件の取材に付いて行ったときだから、倉敷市だ)吉川弘文館発行の『世界史年表・地図』 という本が目についた。パラパラページを開いて、即座に買った。
学校では日本史は日本史、世界史は世界史と縦割りで習った。考えてみたら、日本史だって世界史の一部ではないか。
その本の表は縦に年代が、横に夫々の時代の国名があり、同じ時代での出来事が同時に分かるように書いてあった。
面白かった。
ギリシャには数学者であり哲学者のピタゴラスがいて、三角形のナンタラカンタラの定理を見つけ(何だか分かんない)、三大悲劇が演じられ、中国では孔子という思想家であり哲学者がいたころ、日本は縄文時代だった。
クレオパトラとアントニウスが結婚したころ、日本は弥生前期だった……と横並びで時代がわかる仕組みだ。
そんな誰でも知っていることを今ごろ「へー、まァ、そうだったの」と驚いているのは、単に私がアホだからだろうけど、でも面白いんだわァ、これが。
しかし文明は早く発達すればいいというものではないことは、現代に近づくに従って分かってくる。後進国だった国が、いつの間にか先進国になっていることに気が付いて、これは『神童も、二十歳を過ぎればただの人』だと安心した。
それが分かっただけでも倉敷で本屋さんに立ち寄ったおかげだと、やっぱり本屋さんだった。

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