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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

『ら足し言葉』

2022.9.28 Wed

ひところ『ら抜き言葉』が問題になったことがある。
例えば、食べられる(食べることができる)を、「食べれる」と言ったり、着られる(着ることができる)ということを「着れる」というふうに『ら』を抜いて話すことが社会問題になったのだ。
それがいまは『ら足し言葉』になってきたらしい。
まァびっくりした。テレビの食レポを見ていた。
有名な女優さん(たぶん!)が何だかの食べ物を試食して、ニッコリ微笑んでいる。すると番組説明係の女性が可愛い声をして「○○さんが、美味しそうに食べられています」と説明していた。
エッ!? ○○さんがライオンか何かに食べられちゃったの?
ちょっと神経質かもしれないけれど、気になり始めたらやたらと耳につく『ら足す言葉』。
毎朝ジョギングをしている人のことを聞くと、「あの方は毎朝走られていますよ」。
エリザベス女王の国葬を見ていた。日本からは天皇皇后両陛下がお揃いで出席なさっていた。イギリス到着のときは黒いマスクで、ウエストミンスター寺院からお帰りのときは白いマスクをしてらした。
すると日本のキャスターが「雅子さまが、今日は白いマスクをつけられています」と言ったので、私は目が点。
でもアナウンサーやキャスターは言葉のプロなんだから、私のほうが間違っているのかもしれない。この『ら足し言葉』が正しい日本語だとしたら、国語の授業で五段活用がなくなって、テストが少し楽になるかも。
自称前世イギリス貴族(自称……ですから)の私は、エリザベス女王がお亡くなりになって、かなりショックだった。女王はいつもすましたお顔でさりげなくジョークを言って、まわりの人を笑わせていたそうだ。さすがイギリス人だ。
9月22日号の週刊文春でも、女王のジョークにレーガン大統領が大笑いしている写真が出ていたっけ。
でもその後、ロンドンの街角で女王の思い出を聞かれたロンドンっ子も、女王のジョークを褒めていた。テレビでは日本語に訳した言葉だったけど「女王はあんなに年をとられているのに、ジョークを……」と。

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