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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

カマキリ

2020.9.7 Mon

NHKの『チコちゃんに叱られる!』を見ていたら、「昆虫はなぜ小さいか」とい う問題が出ていた。
答えはさておいて……。
問題に答えていた大学教授(名前、忘れちゃった)が子どもの頃、カマキリが好きで30匹くらい飼っていたそうだ。餌のバッタを食べるところが見たくてバッタ捕りに、一日中野原を走り回ったんだって。
それを見かねた母親に「カマキリは10匹にしなさい」と言われて10匹にして、のちに大学教授になったようだ。こんな話、私、好き!
チコちゃんは大きなトンボの背中に乗って「水たまりにタマゴを産んじゃダメだよ!」と言いたい……と言っていた。
それで思い出したのだけど、私は少女時代ド・イナカに住んでいた。そして雨上がりの道路の水たまりに、トンボがタマゴを産んでいる姿を見て、心を痛めていたことを思い出した。「その水たまりは、お天気になったら乾いてしまうんだから」と。
教授はカマキリが好きだったと言っていたが、私は嫌いだ。なぜかと言うと、ド・イナカでカマキリの死を目の前で見てしまったから。
(虫が嫌いな人は、この先は読まないで下さい)
生命の終わりは、生命あるものには必ず訪れるものだけど、カマキリの生命の終わりに見切りをつけて、黒い寄生虫(ハリガネムシで、他の昆虫の体内で成虫になるのだって)がそのカマキリのお尻から抜け出てきたところを、見てしまったのだった。
その寄生虫の姿の気持ち悪さに鳥肌がたっていた。
それから私は、すべてのカマキリに寄生虫がいるような気がして、「くわばら! くわばら!」で、寄生虫はカマキリに養ってもらっていたくせに、死んだら逃げ出した!と腹をたてていた。
そんな少女時代を過ごしていた私に比べて、「空に架かる虹の麓を探しにいった」なんて言う夫! カッコ良すぎない?

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2020.9.11 Fri 自然百景

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2020.9.3 Thu 『氷雪の殺人』