内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
悪ガキ?
2021.9.26 Sun
コロナ禍のお籠もりで、以前よりテレビを見る時間が増えた。
先日もボケーッとするのに飽きてテレビをつけると(放送局は分からない。再放送らしい)、マツコと有吉(敬称略)の二人が何やら喋っていた。
有吉はいかにも『昔少年』で、いたずらばかりしていたらしい。そのいたずらの中で、「私もヤッタ!」ということを思い出した。
私は小学4年生ころから中学を卒業するまで、埼玉県の田舎にいた。そのヤッタ!はたぶん4年生~5年生のころだったと思う。
庭の隅に蟻地獄がいくつもあった。大きさはたぶん直径8センチほどの、すり鉢状のくぼみで、その底にダニを大きくしたような虫は潜んでいた。蟻地獄と言うほどだから、アリが落ちて来るのを待っていて捕食しているのだ。
私はアリを捕まえてそそのくぼみに落として、じっと待っていた。アリはすり鉢の坂から逃げようとするが、逃げようとすればするほど砂は崩れてくる。そのうちくぼみの底がゴソゴソ動いて、ダニの大きいのがアリを捕まえて砂の底に引きずり込んでしまった。
いくつもある蟻地獄の一つには、せっかくのすり鉢状の穴に砂を入れたりと、私はちっとも女の子らしくなかった(そのころの写真を見ると、自分で言うのもナンだけど、けっこう可愛い顔をしていたのに)。
因みに、蟻地獄のダニの大きいのは、ウスバカゲロウの幼虫だそうだ。あの醜いのが羽化すると、あんなにも儚い姿になるんだ!それに比べ、私はわりと可愛い顔をしていたのに、大人になったらこんな状態になってしまった。残念!
それと家の壁に沿って、地蜘蛛の巣があった。直径6ミリほどの筒状の巣が、地面から6センチほど伸びている。その巣を剥がして丁寧に引きずり出すと10センチほどの長さで、その袋の底に地蜘蛛がモショモショとうごいているいるのだ。
それをどうするということもなく、途中で巣が切れないように引っ張り出す……というだけのことで、ホント!女の子らしくないことを私はしていた(写真を見るとけっこう……って、ま!どうでもいいか)。
今までべつにファンってことではなかったが、悪ガキのような遊びをしていた有吉をちょっと見直した。