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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

テレビ体操

2019.12.31 Tue

朝のNHK番組にテレビ体操がある。ずいぶんご長寿番組だ。
50年くらい以前には、たぶんTBSでもテレビの体操番組があった記憶がある。でも現在はNHKだけなのかな?
出演している女性たちは、カッコいい。そのカッコ良さは、いわゆるファッションモデル的ではなく、ピチッと弾けそうな健康そのもののカッコ良さなのだ。
でもNHKのテレビ体操……。今はその番組が切なくて見ることができない。慌ててチャンネルを替えてしまう。
夫が入院していたとき、私はほぼ毎日、夫のところに通っていた。
部屋に着くと間もなくテレビ体操が始まる。
左手が不自由になっていた夫は、テレビの指導通りに動けるわけではない。それで私は夫の左手を取って、指導通りにではなく、ゆっくりゆっくりと手首を動かしたり、肩の上げ下げを手助けしたりしていた。
その手助けも、去年の3月で終わってしまった。
からだの自由が効かないという夫。それだけでもストレスだっただろう。運動が嫌いだったのに、妻に言われてイヤイヤ体操をしていた姿を、あの番組で思いだしてしまう。
あんなにシャイだったのにと、それで体操の時間になると、慌ててチャンネルを替えてしまうのだ。
今、慌ててチャンネルを切り替えてしまう番組、それはテレビ体操と囲碁番組。
囲碁番組は入院中も真剣にみていた姿が……、食い入るようにテレビを見ていた姿が目の裏から消えてくれない。
ラグビーは入院中は見てなかったし、自宅のソファーのへこんだ定位置で、ボールの行く方行く方に揺れていた姿が懐かしく思い出されるから、だから心行くまで見ていられるのだ。
勝手なことをほざいているけれど、愚痴というかのろけというかの言い納めかな?
来年も『早坂真紀つれづれ』をよろしくお願いします。

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2019.12.28 Sat 歴史