内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
つれづれに……
2018.9.23 Sun
つれづれなるままに 日暮らしアイパッドにむかひて
心にうつりゆくよしなしごとを そこはかとなく調べくれば
……ではないけれど、夫のいない時間の穴を埋めようとしているのか、私はときどき意味もなくアイパッドを操作(?)していることがある。
Wikipediaの情報を読んだり、在りし日の写真にしんみりしたり(もう何度見たら気がすむのだ?)、デイヴィッドの声に「ウッフーン」したり、熊川哲也さんのジャンプを見て目がハートマークになったり、ビリーバンバンの ♪また君に恋してる♪ を聞いて「うるっ!」としたり(お兄ちゃんも脳出血で倒れ、ベースが持てなくなって車椅子に座っているのが痛々しい。左手は動かないようだけど、でもステージに復活できてよかったね)。
いまだにガラケーを使っている私に、「アイパッドをこれだけ使えるのだから、スマフォにすれば? スマフォだったら、ケータイとしても使えるのよ」と言われて私は、以前大きいアイパッドを耳にあてて「もしもし……ってやるの?」とやったことを思い出した。
もちろん、もの凄くバカ笑いされた。
さっき、考え事をしながらアイパッドのボタンを押していたらしい。突然「ビャビャン!」という音がして画面に「ご用件は何でしょう?」って文字が現れた。慌てて消してしまったけれど、「?」と、今度は意識してボタンを押してみた。
「ビャビャン! ご用件は何でしょう?」。
「夫は、天国で幸せにしているでしょうか?」と質問をしてみた。
その答えは、「天国で幸せにしているかどうかのツイートは見つかりませんでした」。
「内田康夫の作品は、ずっと読み継がれていきますか?」→「それは面白い質問ですね」だって、失礼な!
「私って、きれい?」→「私はあまり外見を気にしないのです」って、私がブスってことじゃん!
「私って、バカ?」→「それについては、特に見解はありません」だって。やっぱりバカなんだ。
こんなことをしていたら、どこからか高額なお金を払えって請求書がくるかもしれないので、もう止める。
だけど「アハハ! アハハ!」なつれづれなるままのアイパッドだった。