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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

悪魔の種子

2024.4.13 Sat

私は花粉症には縁が無く、どれほど苦しいのか分からない。しかし今まで縁がなくても、ある年突然に罹ることもあるそうだ。またその反対もあるようで、先日乗ったタクシーの運転手さんは「この20年以上、毎年花粉症に苦しんでいたのですが、今年はまったく花粉症の症状がなく、ほんとうに楽しています」とのこと。いままで縁がなくても、ある年から私も苦しまされるのかもしれない。
テレビのニュースを見ていたら、花粉症を緩和させるお米の研究に入ったそうだ。
花粉症を緩和させるお米といえば、2005年に出版した内田康夫の作品『悪魔の種子』でこの問題を扱っていることを思い出した。
この作品を書くきっかけになったのは、植物病理学の学者だった私の父が軽井沢に遊びに来たとき、花粉症か何かの話しの流れで「実は……」と言い始めたことだった。
その内容はこの作品を読めば分かるが、テレビのニュースで、あの時の義父と娘婿のおしゃべりの様子が目に浮かんできた。
男同士が向かい合って花粉症が「なんだかんだ」「フンフン!へーエ!」「それでなんだかんだ」と、あの日から22年ほどが過ぎたのだった。その二人もいまは亡く、人はみな順番にこの世から消えていくのだと切ない。
しかし、花粉症を緩和させるお米か! いよいよ……なのかな?
久しく忘れていた『悪魔の種子』、もちろん読み直す。