内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
替え歌
2020.3.31 Tue
知り合いからコロナのせいで、色々なイベントも中止だし旅行もできず外出もままならぬで、家に閉じこもり状態だとメールが届いた。
することがないので夫婦短歌『愛と別れ』を読んで、短歌にトライしたそうだ(偉い! 外出自粛と言われているのに、ウチらはかからないと、花見でお酒を飲んだり夜の繁華街をうろついているバカがいると、テレビで見た)。
でもダサいのしか詠めないので俳句にしようかと、悩んでいるそうだ。
私だって夫が亡くなってからは一首も詠んでない。俳句にトライしたけど、私には俳句は無理だと分からされただけだった。俳句は短歌より14文字少ないうえに、季語やら何やらと縛りが多いんだもの。
私のなんて、テレビの『プレバト』の夏井いつきさんに、コテンパンにやられるのがオチだけど、でも私は今アマチュアだし、ダサくても何でも詠まなくては始まらない。
一茶をお手本にすればいいかも! と思った。
しかし、その知り合いの方は、手で文字を書くということの新鮮さを感じたそうだ。
毎日新聞出版から出ている『俳句αあるふぁ 春号』の「野想忌」特集を見た。
まあ! 沢山の応募があったようだ。その選者が夏井いつきさんで、選考にあたり内田康夫作品を大人買いして読んで下さったみたい。(うれしいなあ!)。
そこで私も一句。
野想忌や書店めぐりてホシを追う
(このホシは、犯人と私の夫の星をかけている。お粗末!)
そしてその知り合いの人に言葉遊びとして、歌謡曲の替え歌などをするといいかも……と、その程度のことをアドバイスして、♪人に聞かれりゃあなたのことを、生涯愛した男だと♪と、体験ではないけど、『花街の母』の替え歌を歌っておいた。古い!!
しかし、コロナよ! 早く絶滅してくれー。