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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

行って来た 

2016.11.14 Mon

『浅見光彦記念館』で12日、講師に推理小説研究家の山前譲さんをお招きして『内田康夫作品研究会&ミステリー懇談会』があった。山前さんは偏りのないバランスのとれた評論家で、夫と共に好きな方だ。
懇談会には本来なら夫が参加するべきなのだが、ご存知の通りなので私が代わりに参加した。
軽井沢はもう晩秋の佇まいで、我が家の辺りの道路にはカラマツの黄金色のじゅうたんが敷きつめられていた。屋根まで黄金色になっていて、秀吉が見たらさぞかし羨ましがることだろう。
空のなんという青さ。浅間山の山頂に、うっすらと積雪があった。見事なコントラストだった。
記念館には抽選に当たった参加者が……。普段このような集いは女性が圧倒的に多いのだが、男女が半々くらい。年齢はやや高めかな?
皆さんは『内田作品』の相当な読み手で、真剣に作品に対して感想をおっしゃっている。
共通していたことは、『内田作品』はただのミステリーではない。純文学的学術教養推理小説だと、常々私が吹いていたことと一致していた。そしていやらしいシーンや、残酷なシーンがない。人前で堂々と読め、子どもに勧められる……と。そして、『内田康夫』は国の宝だとまでおっしゃって下さった方もいた。夫が聞いたら、たぶん泣くだろう。私だって泣きそうになったし、介護疲れだなんて言ってられないと思った。
東京に帰るとき、あの鈍くさいイチョウはどうなっただろう、もう散ってしまったかなと見たら、まだ散らずにいて、賢いはずのイチョウが鈍くさくなっていた。
これから道路掃除が大変だろうな。

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