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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

実は……

2017.7.4 Tue

軽井沢で夫の夢を見たことは、先日書いた。
そして実は……。
軽井沢から帰ってきて、そして夫の部屋のドアを開けた瞬間、まだ私の姿が見えてないのに、「待ってたよ!」って、泣きそうな声がした。
あとで聞いたら、夫を頼んでいた友人やヘルパーさんには、「カミサンは?」なんて、私のことは一言も触れなかったらしいのに。
寂しさを我慢して私を待ってたんだ……と、ウウウ!
私、何だか軽井沢に帰れなくなっちゃった。
そして昨夜、また夫の夢を見てしまった。
夫の運転で雪道を軽井沢に向かっていた。それもノーマルタイヤで……。
ビクビクしながらもやっと森の中の我が家に着いたら、今は亡きキャリーが出迎えたではないか。それも長いこと独りで待ったいたらしく、やつれて毛は抜けヨレヨレになっていた。
夫が「ごめんね、ごめんね」と、キャリーのための食事の支度をしている。私はキャリーのヨレヨレの毛をブラッシングしかけて目が覚めた。これは泣くしかない。
やはり私たちは、夫と私とキャリーのワンセットで、森の中で暮らす仲良し三人組の心の中からの願望だったのだ。
キャリーは無理だとしても、夫に奇跡が起きないかと、今朝は鼻水ズルズルのもの凄く下品な私だった。

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