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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

花火

2018.8.31 Fri

NHKのどんな番組だったか覚えてないのだけど、親子でお線香花火を作るイベントの放送を見た。
火薬を包んだ細長い紙を縒りながら、手作りした花火を楽しむ人たち。紙を縒る手元をアップにしていたが、そういえば私はこよりを作るのが下手だった。
紙の長さは同じなのに、母のこよりはかなり長い。そして細い。縒り方に問題があるのだが、それはさておいてお線香花火(私はオセンコ花火と言っていた)の、パッパッと花を咲かせた後に残る小さな火の玉。落ちそうになりながらなかなか落ちないで、時々思い出したように名残惜しげに火花を散らす。この小さな火の玉が、力尽きてポトンと落ちた瞬間のその哀しい余韻。
私も子ども時代に庭で花火を楽しんだ思い出はある。
兄たちといろいろなタイプの花火を楽しんだ最後が、お線香花火だった。
バケツの水の中に落ちる最後の火の玉がジュッ!という音と共に消えて、「あ~あ、夏休みも終わり」という、何とも言えない寂しさ。
先日、友人の家に遊びに行った時、20時近くに突然ドンドンという音がした。神宮球場の花火だった。神宮球場でヤクルトの試合があるときは大体五回の裏に打ち上げるのだそうだ。夜空を華やかに彩っていた。因みに、その日のヤクルトは負けだった。
人生には、一瞬だけ華やかに彩り消えて行く人生もあれば、お線香花火のようにささやかだけど花を咲かせて、あと少し、もう少し頑張ってみようという人生もある。
私はどっちだろうと思ったが、いや私は湿気っていて、いくら火をつけても花を咲かせることのない花火かな……と、暑さのなかにそこはかと秋の気配を感じていた。

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