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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

ボケ?

2018.9.9 Sun

目が覚めてベッドから下りようとしたら、いやに向こう脛が痛い。半分気にせずにいたけど、朝食後に顔を洗おうとしたらやっぱり痛いし、何となく歩きにくい。よく見たら少し腫れている。
なのに、どこかにぶつけた記憶は全くない。
べつに命に影響するわけではないが、いつ何処でぶつけたのかも分からないなんて、もう嫌になってしまう。
まさか夢遊病ではないと思うが、このところの私は少し変だから。いや! 変なのは元々だけど、最近は引きこもり気味だし、気分もHigh&Low気味だし、いよいよ来たかな?
だって以前だったらぶつけた瞬間に「痛ッ!」だった。それなのに少しだけど腫れるほどぶつけたのも気がつかないなんて、もう冷たくなりかけているのかも。
それで体温を計ってみたら35.5℃ある。私の平熱だ……と書いていて思い出した。
あれは雪の日、私は39℃の熱を出して寝込んでいた。平熱より3℃以上も高く、フラフラだった。
それでも囲碁を打ちに出かける夫に、キャリーの夜の世話を頼んで寝入っていた。
キャリーのキュンキュンと呼ぶ声に目が覚めると21時半近い。キャリーは朝までは家の中にいるので、毎晩21時ころには外でオシッコをさせている。あれッ! 夫の気配がない。
私は南極越冬隊(懐かしい言葉に胸キュン!)のような格好をして、フラフラしながらキャリーを外に連れ出した。
そのときの軽井沢の気温は-8℃。よく肺炎にならなかったものだ。
22時頃に夫が帰って来て「悪い!悪い!忘れてた」に、私は怒り爆発。私のことはともかく、キャリーチャンのことを忘れるなんて……と、改めて夫の遺影に「フン!」。
あれまァ! そんな昔のことを思い出すなんて、私はまだ大丈夫だわ。いやいや! 最近のことは忘れてしまうけど、昔のことだけは覚えているなんて、それが危ないのだった。
やっぱり……、私にも来ちゃったか。来てもおかしくないトシだもんね。

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