ブログ

HOME > 早坂真紀つれづれ

内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

いい子ね!

2016.9.14 Wed

マンションのエレベーターに乗ろうとしていたら、ママと二人連れの少女と一緒になった。
小学校一年生くらいかな? リュックを背負って、レジ袋を持っていた。
目が合ってお互いにニコッと笑った。
少女はレジ袋の中を見せてくれた。クリの実が入っていて一個分けてくれると、ママが「一個だなんて」と苦笑いをしている。「いいえ、いいんですよ」
「クリ拾いって、イガを割るとき痛くなかった?」と聞くと「ううん、足でね、こう割るの」「知ってる! 私もそうやってクリのイガを割ったことがあるわ」と、二人して足でイガを割る格好をした。
ウフフ……と笑って、「サヨナラ!」と少女とママはエレベーターを下りて行った。「クリをありがとう」
いい子ね!
三合のお米が炊きあがって蓋をとると、皮を剥かれた栗が鎮座していて心が温かくなった。
そういえば、あの少女、以前にもエレベーターの中で会ったことがあったと思い出した。
学校帰りだったらしく、ランドセルを背負っていた。
「こんにちは」と、ちゃんとご挨拶ができていたので「○○小学校? あの学校まで歩くと15分くらいかかるかしら?」と聞くと、目を泳がせて「うーん、18分くらいかな?」と言っていた子だ。
いい子ね!
躾けがいいんだ!

« 

2016.9.18 Sun パン屋さんで

 »

2016.9.8 Thu 黄昏