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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

誇り

2020.3.2 Mon

まだまだ予断を許さない状況らしいコロナウイルス。そのウイルスをまき散らさないためのマスク。
ドラッグストアでもコンビニでもマスク不足が続いていて、行列ができているなと思うと、マスク販売のためだった。
マスクを買うために行列に割り込んだ、いや割り込まない……で、取っ組み合いのけんかになったり、500円ほどで買ったマスクを10倍以上で転売したり、お一人さま一箱と、ことさら注意をしなくてはならないのも切ないが、買った一箱をリュックに隠してまた並びなおしている姿を、テレビで見ていた。
情けなかった。はしたないと思った、東日本災害のあと、久しぶりにオープンしたコンビニに、きちんと整列していた日本人を見て、世界中から褒め称えられ賞賛されていた。
あの他人を思いやる日本人の『心』は、どこにいってしまったのだろう。
おもてなし、おもてなし……と言わなくたって、日本人はやさしくて親切な国民だと思っていたのに、いつからこんな日本人になってしまったのだろう(……と、今このブログを読んで下さっている方が、それは日本人ではなく○○人だと思っていることは承知の助です。○○って漢字表記すると二文字の国はたくさんありますけどね)。
しかし○○人であれ○○人であれ、あの姿を見ていると、あの情けない行動がウイルスのように日本人に感染してしまうのではないかと心配になる。
ワールドクルーズのとき、デンマーク宮殿の衛兵交代式を見た。おもちゃの世界のような衛兵交代の模様を見ようと、世界からの観光客が溢れていて、観光客が道路に出ないように警官が監視していた。
衛兵の行進が近づいてきたとき(素敵!)、私のそばにいた○○人がカメラを持って道路に飛び出し、警官に注意をされた。その時、何と! ○○人が自分を指さして「ジャパニーズ、ジャパニーズ」と言ったのだった。まァビックリ!
警官が信じたかどうかは分からないが、私はむかっ腹がたって「ノー!ノー!」としか言えなかった。
私は、外国に行くと、一人一人が『自国の代表』だという意識がるから、無理してでもいい子にしている。日本の国と日本人の誇りを守りたいから……って、私は古いのかな?

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