内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

～になります。

2016.6.16 Thu

かなり以前、「～になります」という言葉はおかしいと、かなりマスコミが騒いだことがあった。
喫茶店に入って注文したコーヒーを出しながら「こちらコーヒーになります」って、これはどうみてもコーヒーなのに違うの？……と茶化していた。そして私も友人と食事に行った時「こちら熱いおしぼりになります」と出されたおしぼりに、「どのくらい待てば熱くなるのかな？」としばらく待ってみて、「何だ！冷めてるよ！」
それが今では「～になります」が普通の言葉になってしまったようだ。今では学者先生や言葉のプロであるアナウンサーまでが「～になります」と言っていた。
学者先生が、歴史ある建物の曰く因縁などを説明したあとに映し出されたその建物を指して、「これがその建物になります」。
どうみてももう立派な建物じゃないかァ！と突っ込みを入れたけれど、それは私の独り言だったし、学者先生たちがそう言っても誰もクレームをつけないってことは、私がもう時代から取り残されているのかもしれない。
「～された」もそうだ。
テレビで「あらァ！　○○さんが悪戯されたのですか？」って言っていたけど、この場合○○さんが加害者なのか被害者なのか。途中から見たので私には？？？だったが、加害者だったことがその後分かった。
でも「～される」って言葉も普通語になったようだ。それこそ言葉を使う職業の方々の殆どが「～される」という言葉を言ったり書いたりしているから、やはり言葉は変化しているのだな？　私も勉強しなくては……。