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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

アトリ

2016.4.7 Thu

テレビの巨人・阪神戦が終わって、何となくテレビを消さずにいたら、鳥の声がした。見ると『アトリ』の集団だった。
アトリ…って、「アッ、鳥だ!」ではありませんから。
アトリは後になって知った鳥の名前なのだが、冬になるとユーラシア大陸北部から日本にやってくる渡り鳥で、その食欲旺盛なのにはびっくりしたものだ。
冬になると軽井沢の我が家のベランダは、私が出してやるヒマワリの種を食べたり水を飲みに来る小鳥たちのたまり場になる。
初めの頃はシジュウカラやヤマガラなどの先住鳥(?)がかわるがわるやってきては一粒ずつ種をくわえて近くの枝に止まり、両足で種を押さえてくちばしでつついて食べる。その姿が可愛くて、ヒマワリの種にどれほど投資したことか。
それがある日、大群でやってきた鳥が、その場でバリバリと種を食い散らしたり水をがぶがぶ飲んで(?)いるではないか。それがアトリだった。
その間シジュウカラたちは為す術もなく逃げてしまう。
可愛くない上にゴミを持って帰るマナーも知らない鳥に私は腹をたて、「コラーッ! アンタたちのために買って来た種ではない!」と追い散らしていた。
一瞬は逃げるけれど、近くの枝に止まって私が姿を消すや否やまたやって来る。
そんなイタチごっこをしていた(私がバカにされていた?)アトリを、久しぶりにテレビで見て、軽井沢で冬を過ごすのもまんざらではないなァ!とニンマリしてしまった。

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