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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

お正月

2020.1.11 Sat

暮れに、海の近くに住む友人から鮮魚が届いた。
彼から鮮魚が届くようになって、もう30年近いだろうか。夫が存命のときはかなりの量だった。
10年ほど前までは鯛のおかしら付きが入っていて、私はウロコを取り3枚におろして(骨にかなり身が残っていた)皮を剥ぎ、小骨を除いて半分はお刺身、半分は昆布締めにしていた。
お刺身はもちろんのこと昆布締めが絶品で、口の悪い夫も、さすがに「旨い!」と。でも続きがあって「新鮮だもんね」は夫らしいかな?
中骨とおかしらは兜煮にして、目の上の身の何と美味しかったこと。
夫が亡くなったその年は、もうお届けはないだろうなと思っていたら、ちゃんと届けてくれた。
気配りの人で、真空パックのカツオの中トロや、インスタントの伊勢エビの味噌汁など、心憎い気配りだ。
今年は中トロの他にお一人用の『おせちセット』が入っていた。
まだ寂しさから抜けきれずにいる今、この気配りとやさしさが本当にうれしい。
お正月らしくないお正月だけど、妹がやって来ていいトシの女が二人、グダグダとテレビを見たり、中トロで手巻き寿司などを楽しんだ。
さてさて、今年はどんな1年になるのだろう。

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2020.1.5 Sun 新年早々