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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

サギ電

2022.2.13 Sun

多分サギ電が、またかかってきた。05から始まる電話番号で、ひどい関西訛りで年配の(多分?)女性の声だった。
リサイクルショップをオープンする予定なのだが、まだ品物が足りなくて、何か不要の物はないかとのことだ。
品物が足りないからって、何で私に電話をかけてくるのだ。何で私の固定電話の番号を知っているのだ。だから私は二番煎じだけど、また言ってやった。
「夫がいらないのですけど」と言うと、「いや私のところは動物とかナマ物は扱わないので……」と断られた。『ナマ物』というところが、妙にナマナマしかった。
その話を知人に言ったら、知人のところにも何かいらない物はないかと『メルカリ』を名乗った電話があったそうだ。
彼女は真面目な人で「ウチにはいらない物はありません」と答えたのだそうだ。すると「何かあるでしょッ!」と電話を切られたと怒っていた。これからは「夫と息子がいらない」と言うことにする……と、私は真面目な人を悪の道に引きずり込んだかも。
そう言えばむかし、友人がゲラゲラ笑いながら言ったことを思い出した。
夫を亡くして半年ほど経ったころ「ご主人はいらっしゃいますか」と電話が掛かってきたのだそうだ。
「主人は出かけておりますが」
「いつ頃お帰りですか?」
それで彼女は「さあ? お盆には帰って来ると思いますけど……」って、これは傑作中の傑作だ。今度「ご主人はいらっしゃいますか?」と私に電話がかかってきたら、友人の「お盆」云々をパクろう。
『類は友を呼ぶ』と言うけれどホントだなと思った。

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