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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

明けましておめでとうございます

2023.1.3 Tue

何事もなく……と言うより、何もしないまま、また新しい年がやってきました。
何だかアッ!という間の一年でした。年齢を重ねてからの一年は、とても早い感じがします。その原因は大人になると、『ときめき』がなくなってくるからだとか。
子どものころは一年を振り返ると、♪あんなこと こんなこと あったでしょ♪と、思い出がたくさんあるのに、年齢を重ねると「去年? 何かあったのかしら?」状態だから、一年が早く感じるのだそうです。
静かな新年ですが、夫が逝ってから五回目の、ちょっと静かすぎるお正月が切ないです。エッ? もう五年経っちゃったの? という感じです。
我が家は夫が存命のときから、お互いの誕生日はおろか、お正月・クリスマス等々、何の行事もなしの一年でした。
あ、お正月だけはお雑煮と、ちょっとしたお祝い事はしたっけ。でも二日目からの食事はいつも通りの一日で、夫は執筆と囲碁とテレビのラグビー見物のダルマさん状態でした。
運動といえばラグビーの試合のときに、ボールの流れを追って上体があっちに揺れこっちに揺れ程度だったかな。それを見ているのがまた楽しかったのだけど。
見られていることに気がついたときの、あのテレ笑いを思い出すとちょっとウルル!
だからこの五年(介護の時期をいれると八年)というものは……、何もしない何もない1年で、私はこのまま惚けていくのかと、それだけが心配です。私が惚けても誰も気づかず、でも惚けてしまえば何も分からないから、それはそれで幸せかも……と、新年早々明るくないご挨拶でした。
今年も内田康夫と浅見光彦をよろしくお願いいたします。

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