内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

椿油

2021.10.17 Sun

いつか我が家の庭に白い椿の花が咲いていた……という事を書いた記憶がある。
『夏椿』で、花が開いたと思ったら、わりと早く散っていた。
ちょっとがっかりしたものだが、先日花が咲いていたとおぼしきところに、つぼみだった頃のようなプックリとしたものがあった。実だった。
椿の実といえば、椿油かな？と思ったら、赤い椿の花のラベルの整髪オイルビンを思い出した。
トシを重ねると髪の毛に元気がなくなり、最近はふんわり感もなくなった。そんなことを気にしながら量販店の棚に行くと、ヘアーオイルのビンを見つけた。椿油だった。
洗髪後の濡れた髪に、ショートヘアーの場合は2～3滴手にとって、髪になすりつけるようすると髪の毛が元気を取り戻すそうだ。もちろん買って、毎晩髪になすりつけている。
椿油かア！　
夏椿の実を集めて絞れば、油がとれるのだろうか。これはお金の節約になるぞと楽しみにしていたら、黒く熟れるまえに落ちてしまっていた。
葉っぱも何だか枯れて散っているし、がっかりするよりこれは地球は壊れているからだと哀しくなった。