内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
誰のもの?
2021.10.10 Sun
地球は140億年ほど昔に、宇宙のどこかから飛んできた火の塊だった。それが徐々に冷えて海ができ大地ができて、100億年ほどして海に生命体が生まれて大地に這い上がり、そのうち恐竜が現れた。人類が誕生して6000万年ほどしか経ってない。地球誕生からするとごく最近のことだ。
それからでも地殻変動の繰り返しで、大地が分割されたり海に沈んだりしていた。大地の所有者はいなかった。誰のものでもなかったはずだ。
土地は誰のものでもなかったのに、いつ頃から土地に所有権ができたのだろう。
ここからここまでは誰の土地で、固定資産税がどのくらいで……と、いつ誰が決めたのか不思議でたまらない。
そして今でこそ土地などコンピューターで管理され、それも一カ所ではなく、何カ所かで管理されているそうだが、紙の書類で管理されていた時代、その書類が戦争などで焼き尽くされた後、どうやって復活したのだろう。
土地ではないけれど松本清張の小説(砂の器だっけ?)で、戦争で消失した戸籍謄本を復活させるときに……って、そういうことが出来たんだし。
ずいぶん昔、友だちと「今度戦争で焼け野原になったとき、疎開しないで銀座や丸の内にロープを張って、ここからここは私の土地だって主張しよう」と冗談を言っていたことがあった。「でもその時は日本の首都をどっかに移して、銀座や丸の内がただの野原になるのがオチね」と、私がバカなのは昔からだったのだ。
……とはいえ、国土が国営化されるのもなんだかなア!だし。
ただ私は、山や土地に持ち主があるようになったのは、いつ頃からなのだろうかと、単純な疑問が湧いてきただけだから。
ホント! いつからなんだろう!