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内田康夫 夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

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2019.6.15 Sat

夫が亡くなってからというもの、不動産を売らないかとか、投資をしないかと言う案内や電話が増えた。
不動産の売買の広告は以前から送られていたが、すべて夫宛でタックシールを貼ったものだった。
それが夫が亡くなったというマスコミ報道から2ヶ月も経たないうちに、夫宛のタックシール ではなく、サインペンで宛名書きされて私宛に届いた。「今ご使用のマンションを高く買います」というものだ。
多分、相続税支払いのために売るかもしれない、それならいち早く……と名乗りを上げたに違いない。まったくハイエナみたいだ。
その後も続々と「そのマンションのその部屋指定で買いたい人がいるから」などと、値段まで提示してくる。その値段がまちまちなのが可笑しい。
ピンキリで、キリはピンの半額というのもあった。
夫が仕事場として買い、沢山の作品を生み出した仕事場。思い出がたくさん詰まった仕事場を誰が売るものか。
先日は電話を取ると、「この度、この辺りを担当になりました○○の××と申します」と名乗った。不要品を買います……とのことだ。
「この辺りって、どの辺りですか?」と聞くと、軽井沢のこの辺りだった。売る物はないと断ってからディスプレーされた電話番号を調べてみると、この辺りは新潟県だった。
群馬県にも『北』が付くけど軽井沢があり、今や西軽井沢、東軽井沢等々がある。しかし『新潟軽井沢』は初めてだ。軽井沢もずいぶん広くなったなと、感慨一入だった。
投資のお誘いの電話もあった。今なら儲かるのだそうだ。「そういうお話は、まず印刷物を送って下さい」と言うと、「いえ、このお誘いは電話だけです」とのこと。もちろん電話を切った。
これまではちゃんと対応しているし欲の皮は突っ張ってないから、今のところ被害はないけど、私もいつか被害者になるのだろうか。
高齢者や遺族などを狙うなんて、い やな世の中だ。

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2019.6.10 Mon ケータイ