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内田康夫 夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

ウレウレ詐欺

2017.10.22 Sun

オレオレならぬウレウレの電話があった。「クリーニングしてなくてもいいから、着なくなった服はありませんか? 買い取ります」とのこと。
我が家には、着なくなった服はたくさんある。まず夫の服。
夫は、何を隠そう私の着せ替え人形だ。本人は、自分はお洒落のつもりらしいが、放っておくと判じ物のような格好をして平気でいる。だいいち物の値打ちを知らない。3万8千円のYシャツと980円のYシャツの区別もつかない人だ。
ブランドに詳しく、あれこれと能書きを垂れる男性は私の趣味じゃないから、その辺にある物を着てお洒落だと思っている男性って、可愛いじゃない。昨日脱いで、そこに置いてあったシャツを着て、手近にあるジャケットを着て……と、もしかしたら私、母性本能をかきたてられた?
作家になる前はそれでよかったのだけど、「浅見光彦倶楽部」を創設して、会員さんとの交流が増えたらそうはいかない。そのあたりから夫は私の着せ替え人形と化した。
夫の着るものはミラ・ショーンに統一した。「ちょっと恥ずかしくないか?」なんて言う夫に「『コーディネート』は『こうでねーと』」なんてダジャレを言いながら、でもミラ・ショーンにも慣れてサマになっていた。
私の趣味で買ったそんなジャケットが、夫の療養生活が始まってからは、クローゼットルームの『肥やし』になっている。クリーニングに出さないままのもある。でも売らない。
テレビを見ていたら、オレオレならぬウレウレ(売れ売れ)という新しい詐欺が誕生しているようだ。
我が家にかかってきたのも、その類だったのかも。
電話をかけて不要品があったら買い取りに行くと言って玄関に入り込み、始めは服だったのが着物を出させたり、「もう不要だろう?」と宝飾品などまで無理矢理「売れ売れ」と安く買って行くらしい。
タダみたいな金額だけど支払いはしているので、この場合は詐欺ではないらしい。脅しているわけではないので、何の罪になるのだろう。
電話では女性の声だったのに、訪れるのは男性が多いとのこと。始めは優しく接していて、そのうち断れないような状態にもっていくのが常らしい。
私のときも女性の優しい声だった。私が「この電話番号、どうして知っているのですか?」と聞いたら、女性はアルバイトだったのかどうかちょっと慌てていた。何だかの基本があって、あとはアトランダムにダイヤルしただけですと言っていた。
掛けたほうの番号はこちらに記録が残っている。しかし警察に届けられたときは、もうその番号は変えられているのだろうけど。
私は安物だろうと高物(?)だろうと宝飾品は持ってないし、服なんて20年前のものをまだ着ているくらいだから……って、20年前から体型を変えてないという自慢かも、と言いたいけれど、さすがにタイトスカートはもうむりだった(がっくり!)。
でも! いつか私も詐欺にかかるのだろうか。詐欺師はしたたからしいから……と書いていたら、0120から始まる、女性の上品そうな声で電話があった。今度はリサイクルショップを立ち上げるから……と、途中まで聞いて「ありません!」と電話を切った。
みなさん、気をつけましょうね。

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