内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
くじ
2017.5.29 Mon
夫が倒れてからというもの、コンビニをよく利用している。それまではほとんどお店に入ってなかった。ツルヤで買い物をして、三度三度の食事の支度をして、夫が留守のときは手抜きをして「うわーッ! 楽チン」だなんて……。
以前、夫が入院した時に、私は初めてコンビニ生活の便利さを知ったのだった。正に「コンビニエンス・ストア」だもんな。おかげでコンビニのお総菜は品数が豊富で美味しいことを知った。そして今では、「nanacoカード」を使ってまでコンビニを利用するようになってしまった。
先日も買い物をしてレジに行くと「くじを3本引いて下さい」と言われた。
箱に手を突っ込んだら薄っぺらなカードを、どばッと掴んでしまった。その中から3枚取ればいいや……と思って、そのままカウンターに出したら、「1枚づつ出して下さい」と言われて、前髪タラリ!(私は垂れるほど前髪は長くない)。
それで仕切り直して1枚づつ取りだしたのだけど、なんと3枚全部が「生茶」の当たり。
次に並んでいる人が小声で「凄い!」
私がいくら大枚をはたいて宝くじを買っても当たらない訳が、これで解った。こんなところで自分のツキを使っているからだってことが。
700円でくじが1本だそうで、レシートを見たら私は2620円の買い物をしていた。
しまった!と思った。太るからと我慢した「豆大福」を2個買っていれば、あと1本くじが引けたのに……。
でもなァ! こんなビンボー臭いことを考えているから「ツキ」も小さいんだわ。