内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
遅い!
2017.11.12 Sun
軽井沢の2泊目の朝。
軽井沢は四季を通して凛としているけれど、特に冬の朝は凛凛凛‼︎ 床暖房を入れてあっても、リビングやダイニングの朝は凛凛凛‼︎
「さぶっッ‼️」
ナナコで買ってきた野菜サラダ(ドレッシングが別売りだってことに気が付かなかった)と、粉末の青汁とこれも粉末のコラーゲンを入れた牛乳で朝食。ドレッシングなしの野菜を食べながら、むかし父に「お前は前世キリギリスだったのかも」と笑われたことを思い出していた。でもちょっと違う。
私はキリギリスだったとしても、イギリスの貴族の館のキリギリスだと、今なら父に言い返すかもしれないと心ほのぼのだった。
NHKのニュースを見ていた。「肱川あらし」という霧の話をしていた。
霧の発生する原因を説明して、全国の霧の発生率ベストテンを発表。1位は軽井沢で、軽井沢の霧は7月が多いって。『軽井沢の霧の中で』じゃん!
そして川に発生するのが広島県の三次市の三次川だって。『後鳥羽伝説殺人事件』のラストシーンじゃん!
「内田康夫の作品でご存知ですよね」と言って言って……と喚きそうになった。どうせ1人でいるのだから、喚いても誰にも笑われないのだけど、やっぱり自制心が働いてしまったかな?
今ごろ『軽井沢の霧の中で』だの『後鳥羽伝説殺人事件』って、NHK、遅い!……って、誰もそんなこと言ってないか。