内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
私だって……
2016.7.1 Fri
気がつけば今日から7月。時の流れの、あまりの早さに言葉もない。
あの日から、そろそろ1年が経つ。
それまでも調子はよくなかったのだが、今回の夫の体調のあまりの悪さに「思い切ってサイン会を中止して、いざというときのために東京に行ってようか」と7月25日に上京した。
そして翌日に「何だかおかしい!」と病院に救急搬送したら脳梗塞だった。
あれから1年近く……。まだ療養中だ。
梅雨時期で湿度は高く、鬱陶しい毎日で、夫は「辛い!辛い!」の連発。気圧の変化にからだがついていけないらしい。健常者だってかったるいのだからさぞかしと思う。
でも私には何もしてあげることはできない。夫を看ているだけでも辛くなる。
思いを込めて足をさすってあげたり、気分転換に、愚にもつかない話で気をそらせるだけだなんて、ほんとうに辛いことだ。
世間には病気療養中の方々が、どれほど辛い思いをしていることか。それを思うと、たまらない気持ちになる。
それでひたすら梅雨の明けることを願っている今の私だ。