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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

木の芽どき

2018.3.12 Mon

『戻り寒』や『花冷え』はあるけれど、寒すぎた冬もようやく終わりが見えてきたようだ。去年の夏が酷い暑さだったから、暖冬かなと期待していたのに。
それにしても東京のカラカラ天気に比べて、北海道や日本海側に住む方々には、本当に災難な冬だった。3月に入ってからも猛吹雪だったりして、言葉のかけようもない。
そろそろ春……木の芽どき。
この季節はむかしから痴漢の増えるときだ。何言おう……、私も若い頃は痴漢に遭ったこともあったし、アパート暮らしだったときに下着を盗まれたことがあった。さすがに痴漢も下着ドロも相手に年齢制限を設けているようで、残念!というか失礼な!というか、今はそんな目に遭ったことはない。
痴漢や下着ドロボーだけではなく、いまは季節に関係なく『盗撮』という行為が増えていて、ニュースでも時々報道されている。若い女性のスカートの下から、スマフォかなにかで写真を隠し撮るのだとか。そんなことをして何が楽しいのかと思う。
たぶん病気なのだろうけど。
痴漢も下着ドロボーも盗撮もみんな男だ。まだあった。『覗き』も男だ。
こんな性癖の男たちには年齢とか社会的地位などには関係ないらしい。でも盗撮される側には制限があるらしく、スカート派の私はやはり被害に遭ったことがない、いや私が気付かなかっただけ? でも出来上がった写真を見て、気の毒だけどがっかりしていたりして。
女性にそんな性癖のある人はたぶんいないと思う。「若い男性のズボンの下から盗撮をした女が逮捕されました」というニュースを、聞いたことも見たこともない。
そして「物干し場からブリーフを盗んでいた女が逮捕され、女の部屋からたくさんの男物の下着を押収しました」というニュースがあったら笑っちゃう。
私は一応女だから、そういう行為に及ぶ男の気持ちが、当たり前だけど理解できない。やはり『男と女との間は平行線で、永遠に交わることはない』というのは本当なのかも……と、木の芽どきにふと思ってしまった。

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2018.3.18 Sun 事務局より

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2018.3.8 Thu 余計なこと