内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
雲の流れ
2018.7.21 Sat
ひどい風だった。木々は大きく揺れに揺れ、テレビを見ていると着陸態勢に入っている飛行機が、強風に煽られてゆらゆらして、着陸をやり直した飛行機もあったらしい。
私も買い物に出て風に飛ばされそうになってよろけたとき、「あら! 私って女っぽいかも」と、ちょっとうれしかった。だっていつもは転ばないように「ドスコイ!」と歩いているのが、風に煽られてヨロヨロ。「いや~ん! 私、こわい~」状態だった。
そんな気持ちになったのは、私にも『女子』があったのだ……と。
今日はまだ外に出てないからわからないけれど、家の中から見ているかぎりでは、風は穏やかそうだ。
でも雲の流れが猛烈に早い。分厚い雲が、どんどん北東(青森県や秋田県方面を東北地方と言うけれど、方位を示す時はなぜ北東って言うのだろう)方向に流れているのに、じっと見ていると分厚い雲の上にある薄い雲は流れてない。不思議でじっと空を見ていると飛行機が飛んでいる。
こんなに風が強いのに大丈夫かな? と思っていたら、飛行機は分厚い雲に隠れてしまった。たぶん分厚い雲の上を飛行しているのだろうと思った。
でも……、地上には風がなく分厚い雲は勢いよく流れている。その上の薄い雲は流れてない。
地上と分厚い雲と薄い雲のそれぞれの距離はどのくらいあるのだろう。真剣に考えていたら頭が痛くなりそうなのでやめた。
ここでちゃんと調べないでやめるから、惚けが進むのだろうな。
空が半分だけでなく、全部青かった。