内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
ハザードマップ
2018.8.1 Wed
台風一過……とは言えない空の色だけど、台風は一応日本列島から去ってくれた。
それにしても西日本の被災は、そこに住む人たちにはほんとうにお気の毒としか言いようがない。被災された方々は、なぜこの地方ばかり?と理不尽さを胸に押し込めて、辛い思いを抑えてただひたすら後片付けに追われる毎日と思う。
日本は自然災害の宝庫だ。
海辺に住めば波の、山に住めば土砂崩れが、平らなところに住めば竜巻……と。その災害が起きたときの避難ルートが、ハザードマップで住民に知らされているという。
でもその時はまさか私がとか、多分大丈夫だろうと、その通りには行動できないのかもしれない。
我が軽井沢にも活火山の『浅間山』が何年かに一度噴火しているし、別荘などは斜面に建っていることが多い。
浅間山が噴火したとき、土砂崩れが起きたとき、私はどこをどう避難したらいいのだろう。
そういえば私は住民票を移して36年も軽井沢に住んでいるけど、ハザードマップを見たことがない。存在するとかしないとか、ふと思うとそれさえ知らずにいた。
浅間山の噴火のとき、火砕流は群馬県側か小諸方面に流れると聞く。それで軽井沢は安全なところだから、ハザードマップなんて必要ないのかもしれない。
でも、いざ!という時のために、一応あったほうがいいのかも……と思う、西日本の今回の災害だった。