内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
筋肉痛
2019.2.21 Thu
高齢になると、何もない平らなところでも転びやすくなるそうだ。自分では上げたつもりの足が実際には上がってなくて、それでつまずいて転んでしまう。
転んだら骨折につながり、骨折すると寝たきりなるというワケだ。
私は夫の介護中、多分ストレスが溜まっていたせいだと思うけど、病院の階段を一段踏み外したことがあった。思わず手をついたけど、骨折には至らず、ただ手首が痛いだけだった。わりと運動神経があるせいかもしれない。
でも最近は何もないところでつまずきそうになることもある。つまりトシなのだ。
転んだりつまずいたりするのは骨密度が下がったり、腿の筋肉が衰えるせいだと言われている。それで私は普段からテレビを見ながらV字バランスならぬL字バランスをして頑張っている。
V字にするほど足が上がらないからL字になってしまうのだけど、これでかなり腹筋と腿の筋肉は鍛えられていると思う。
そして腿の筋肉を鍛えるのは、いわゆる和式トイレにまたがるようにしゃがんで立ち上がるのを、ゆっくりと1日何回か行えばいいそうだ。
もしかして日本人のお相撲さんが弱くなったのは、和式トイレの激減のせいではないかと、これは私の持論。
足の骨密度を上げるには、思い切り背伸びをしてストンッと、かかとから下りるのだそうだ。やってみた。しかしドスンと音がして、これは場所を選ぶ。
それで私はかかとで歩けばいいじゃない思った。テレビを見るときに、踵立ちもしてみた。アキレス腱と第二の心臓と言われているふくらはぎの筋肉が、しっかり伸びていると感じだ。
しかし……。翌日、踵が痛く、ふくらはぎが筋肉痛を起こしていた。
そして……。転ばないための筋肉を鍛えるには、階段は上がりよりも下りのほうが鍛えられると聞いた。何だ!
今まで無理をして駅の階段を上っていたのに何てこった。
階段は上りよりも下りのほうが怖い。これからは足を踏み外さないように、手すりを持って下りるようにしよう。
寝たきりになるのが怖いから始めた運動だけど、第二の心臓のふくらはぎは「イテテイテテ」だし、かかとも「イテテイテテ」だった。
でも続けよう!