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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

ケータイ

2019.6.10 Mon

夫にも携帯電話は持たせてあった。
しかしそれが使われることはまれだった。夫が仕事で出かける時は、いつも編集者か事務局のスタッフがそばにいる。でも迷子になることがあるかもしれないからと、一応持たせてあった。しかし迷子になることなく、従ってほとんど使うことなく終わった。
それで私は夫の携帯電話のことを、『不ケータイ』と称んでいた。
あの日、編集者と事務局スタッフと、作品の校正で夜中近くにまで及んだことがあった。
(今だったら働き方改革とやらで叱られるかも)。
お風呂が冷めてしまうので、夫が帰ってくる時間を聞いて、逆算してお風呂のお湯張りをしようと電話をした。呼び出し音が続く。何度電話をしても、呼び出し音だけが虚しく続く。
ふと、変な音が聞こえた。何だ?
チェストの上で「ブブブ、ブブブ」と、夫の『不ケータイ』の音がしているではないか。一人大笑いだった。
その『不ケータイ』は今、浅見光彦記念館に展示してある。あちらの世界に持たせるわけにはいかないので、あちらで今も『不ケータイ』を続けている。もちろんガラケーだ。
今ので4台目だけど、私もガラケーを続けている。
先日、そろそろスマートフォンをと思ったが、またガラケーにした。
やはり時代らしく、以前より機種が少ない。私はずっと赤いのを使っていたが赤がない。
「そこにあるだけです」と言われ、シルバーを選んだ。しかし待てよ! シルバーがシルバーなんて、シャレにならない。来年はオリンピックだ……、それでゴールドを選んだ。
使い勝手が今までのと一番近いのを買ったのだけど、なぜだ! 改めて覚えなおさなけらばならないことが多々ある。そろそろ認知症かと自覚している私にとって、当分オタオタすることが続くだろう。

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2019.6.6 Thu アハハ!