内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
デーツ
2020.2.29 Sat
今、デーツという果物が流行っているそうだ。「デーツって?」とテレビの画面を見ると、ワールドクルーズでどこかの国に寄港したとき食べた記憶がよみがえった。多分『ナツメ』のことだと思う。
あれはどこだっけな? 寄港地を思い出そうとした。アデン? マーレ? ウオルビスベイ? ドバイ? どこだっけ?と自慢たらしく(自慢そのものだけど) 寄港地や地名を挙げたけど……、どこだっけ? たぶん中東かアフリカあたりだと思うけど……、イカン!ボケた。
船のタラップを下りたとき、原色のドレスをきた娘さんたちが待ち受けていて、小袋に入った多分ナツメを配っていた。
正直に言うと、私の気持ちの中にそれを食べることに少しためらいがあった。あまり清潔じゃないのかなって。
それは偏見だと1粒食べ「あ、美味しい」と2粒たべて、結局小袋の中の見本品の5粒を全部食べてしまった。もしかしたら、夫の分も食べたかも。偏見を持ってごめんなさいだった。
観光が終わって港に戻ると、お土産の店がたくさん出ていた。素朴な人形や工芸品、さっき貰ったナツメも売っていた。美味しかったから、多めに買った。多めに買ったけど検疫で引っかかるはずなので、日本には持って帰れない。だから船内で時間をかけて全部食べてしまった。
植物繊維が多そうで、おかげで健康な船内生活を送れた。
久しぶりにナツメ(乾燥した)を思い出して、また食べたくなった。今度デパートに行ったら買ってこようっと!