内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
朝ドラから
2020.4.2 Thu
NHKの朝ドラ『スカーレット』が終わった。
主人公の息子タケシが亡くなるということは知っていたけど、ドラマではどういう処理の仕方をするのだろうと思っていた。
昨日までタケシはお皿を作っていたし、最終回だけで『お涙』……はムリだよなぁと思っていたら、わりとあっさり処理されていた。
タケシが遺したお皿を愛でながら、「26才を前にして逝ってしまった」のセリフに私は「ウチは金婚式後3ヶ月を過ぎていたから、ま! いいか」。
「タケシは幸せだった」と母親が言うと、私は「ウチは夫が、ぼくたち幸せだったよねと言ってくれた」。 「タケシはいい作品を遺してくれました」には「ウチだっていい作品をたくさん遺してくれたもん」と、いちいち反応してはグスッ!
バカですね。でも私は後ろを振り返りつつも、前を向いて歩いていると思っているから。
先日夢を見た。
チャイムが鳴って玄関のドアを開けた途端、私は2人の男にムンズと手首を掴まれた。どうしようとパニックになりかけた時、男は私の後ろを見て慌てて逃げていった。
何と! わたしの後ろに、夫の等身大のパネルがあった。『浅見光彦記念館』にあるパネルが、何故そこにあるのか? それは夢だけど、夫は私を守ってくれている……と、いつまでもグスッ!も仕方をないかな?
また惚気てしまった。