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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

春が来た?

2020.4.23 Thu

正直、鬱になりそうだ。
新型コロナウイルスに感染したくない、させたくない……で、ひっそりと森の中にいる。
曇り、雨、強風、寒い、冷蔵庫の中が寂しくなってくる。買い物に行くのも一大決心で、挙げ句の果てに「もうちょっと我慢しよう!」と、家にこもってしまう。
それに私の体温はこの3ヶ月ほど36℃前後を保っているので、たぶんまだ感染してないと思うのだけど、私は寒冷アレルギー気味で冷たい空気を吸うと、くしゃみや咳がでる。
「クシャン!」「コン!」とくしゃみや咳の一つでもしようものなら、冷たい視線が矢のように刺さる。
正直、鬱になりそうだ。
パソコンに向かうのも億劫だ。ちょっと頑張ると肩がゴリゴリになるし。
夫だったら作品を待っている人や出版社が多々なので、愚痴っている間もなくパソコンに向かっていたが、私の場合誰も待ってないや! と、ウダウダとしていて、チコちゃんに叱られそうだ。
ボーッと外を見ていたら(私はこの三日間、外気を吸ってない)、カラマツの枝々がうっすらと緑がかっているではないか。おまけに小鳥たちのラブコールが艶めいている。そのうち巣作りが始まるのかもしれない。
レジ袋がどうしたストローがどうしたと騒いでいるが、私が人間の自然破壊はレジ袋とストローだけじゃないだろう!と喚いている間にも、小鳥たちは恋の季節を迎え、季節は移ろっていたのだった。
いま買い物に行かなくても餓死するほどのこともないから、今しばらく春の訪れを楽しもうっと。

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2020.4.25 Sat しつこいヤツだ

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2020.4.21 Tue 春はたそがれ