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内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。

感動

2020.5.1 Fri

軽井沢にサルが現れるまで、我が家のある森は小鳥やリスたちの天国だった。
我が家のベランダに来ると、いつでもひまわりの種や飲み物(ただの水だけど)が用意されているので、友が友を呼んでピーチクパーチクと、とても賑やかだった。その飲み物で水浴びしている不埒な鳥もいる。水浴びし
た水をまた飲んだりして、ホントに可愛い。リスがやってくると、鳥たちは近くの枝で順番を待っていたりして、可愛いったらありゃしない。
おかげで私は小鳥の種類を見分けられるようになったし、春になって彼らが食べこぼしたらしい種が芽を出して咲く、貧相な花が楽しませてくれた。
大食いな彼らのために、私は大量のひまわりの種を買い置きしていた。
でもサルの軍団が現れるようになって、ベランダから種も水も撤収した。
そして小鳥もリスも姿を消し、サルだけがのさばっていた。
我が家の30×30×15㎝の、二個のカンカラに残されていたひまわりの種は廃棄した。サルを呼び寄せることになるかもしれないから。
夫の東京での闘病生活が始まり、私が軽井沢を留守にすることが増えた。
そして夫が逝って2年が過ぎて軽井沢に戻ってくると、サルはいなくなっていたが、森から小鳥もリスも姿を消していた。
そしてコロナウイルスのせいで、ほとんど家に籠もっていると小鳥の甘い声がした。リスが目の前を横切った。
以前の自然(シャレではない)が戻ってきたかとうれしくて、ベランダに水を出した。そして1週間が経つ。
一向に小鳥は現れず、リスの姿もない。なぜだ! コロナ感染を避けて、自巣(?)待機しているのか?
今日、目の前を横切った影を追うと、気流に乗って流れているようなハヤブサ(枝に止まった姿は、たぶんハヤブサだと思う。違っていたらごめんなさいって、どうでもいいよね)だった。
私は大自然の中で生きていると、大袈裟かもしれないけど感動した。

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2020.5.3 Sun 昔は?