内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
筋肉痛
2020.5.5 Tue
コロナウイルスのせいで、みんなが外出を極力控えている。
人との接触を八割減らすように……と要請が出ているが、私の場合普段から人付き合いがないから、八割減らすってどうしたらいいのか分からない。
事務局のスタッフとの接触しかないけど、いま事務局はテレワーク中で、芽衣は休業中だ。私には友だちもあまりいない。日常の買い物は一週間か十日に一度だし。
昨日なんて三日ぶりに外気を吸った。せっかく玄関を開けたのだ。このまま閉めて首を引っ込めたのでは勿体ない。しかしまだ食料はあるから買い物に行くこともない。しかたなく別荘地内を車で一周して帰ってきた。
高齢者が筋肉を一日使わないと、七年分の筋肉が衰えるとか元に戻すのに七年かかるとか。だったら車ではなく散歩というテもあるのだが、いまの私には我が家のあたりの散歩は辛い。
「私、一人で歩いていると、誘拐されるかもしれないから」なんてアホなことを言っているけど(言わなくてもアホだ!)、本当は散歩道にはキャリーや夫との思い出がいっぱい落ちている……と、いまだにキャリーや夫とのことを引きずっているから。
でも七年分の筋肉の損失は勿体ないから、昨日は家の中で運動不足を解消することにした。
昼と夕方に階段を五往復ずつ。これはきつかった。四回目あたりから階段を上がろうとしても足が上がらないし、下りるときに膝が「ガクッ!」。
思わず石原良純さんの「膝ですか?」「腰ですか?」のCMの薬を買おうかと思ってしまった。
腹筋運動をしたりテレビを見ながら柔軟運動をしたり、七年分の筋肉保持の翌日はすっごい筋肉痛。
でも持続こそが七年分! 頑張るぞ!
ヒヒヒ……、痛い!