内田康夫夫人であり、作家・エッセイストでもある早坂真紀の随想を不定期でお届け致します。
口臭
2020.6.24 Wed
コロナウイルス騒ぎで、私もマスクをする習慣が身についた。
さすがに家にいるときは外すが、買い物に出るとき、ゴミ捨てのときもマスクをするほど用心深い。
おまけにビニールの手袋さえ忘れない。スーパーのカートや買い物かご、ゴミ捨て場のふたなどが怖いからだ。
そして余談……。
夫の存命のときから我が家は、おしゃべりのときに、お互いの口臭に気が付いたら注意をしあう約束になっていた。
かなり親しい間柄でも、相手の口臭は注意しにくいものだ。そして、どんなに知性のある人でも、どんなにお洒落さんでも、どんなに有名人でも口が臭いと興ざめしてしまう。
それでお互いに注意をしあおうと約束したのだが、私に注意をしてくれる人がいなくなったなァと、マスクをするようになって気が付いた。
マスクをすると、モロ自分が吐いた息を瞬間に自分が吸うことになる。もし吐いた息が臭かったら即死ものだ。
それで私は口臭に自信のないときは、家の中にいてもマスクをしてみることにした。
うん? と言うことは、いまの私のマスクは夫だということ? と大笑いをしてしまった。
笑いはからだの免疫力を高めるんだって!
一人で大笑いしてバカみたいと、クスクス笑ってしまった。